結果の監視および管理
ソリューション、対象設定型キャンペーン、および販売数量の結果を理解することは、ソリューションに関する顧客へのアプローチ方法と問題の解決方法を修正する上で重要です。ソリューションの監視と管理は、継続的なプロセスです。
この図は、ソリューションの監視時および管理時に考慮する必要のある手順の全体像を示しています。ただし、このとおりの順序で常に手順が進むわけではありません。たとえば、メトリックの分析やフィードバックの収集は、リリースの前と後の両方で実施することもあります。結果の監視には、次のような手順があります。
- ソリューションのリリースの管理。
- ソリューションの正常性を監視するために使用可能なメトリックの分析。
- ユーザーのフィードバックとレビューの収集および管理。
- ソリューションの更新。
- Go-to-Market 戦略の修正。
- 更新内容のテストと新しいリリースの提出。
ソリューションのリリースの管理
顧客の認識するブランドの格調は顧客の第一印象によって定まるため、次に示すようにユーザー エクスペリエンスの向上を怠ることはできません。
- 顧客サポートを通じて、ユーザー エクスペリエンスの正常性を管理および監視する。
- マーケット リーチと AppSource ランキングを向上する。
- ユーザー エンゲージメントを増やす。
最初の実行エクスペリエンスの継続的なレビューと変更によって、肯定的なユーザー エクスペリエンスを維持する。
- 新規ユーザーに対応するエクスペリエンスの向上を定期的に実施する。
- 更新後または新機能の追加後に新規ユーザーと既存のユーザーの両方でソリューションの使用方法が変わる可能性がある。
ソリューションの正常性を監視するために使用可能なメトリックの分析
Microsoft アカウントでサインインすると、[ダッシュボード] の [メトリック] ページに、ソリューションについての AppSource における最大 3 か月間のデータを確認できます。このようなメトリックは、次に示すようなソリューションのダウンロード前の効果を正確に理解するために役立ちます。
- マーケティング活動がユーザーを登録リストに誘導する効果の程度。
- 登録リストが価値提案を伝えているかどうか、また、ダウンロードを促進しているかどうか。
- ユーザーが試用版から有料版にコンバージョンするだけの十分な価値をアドインに見いだしているかどうか。
- ユーザーがどのようにアドインと関わり、ユーザーであり続けているか。
ダウンロード後にソリューションがどのように貢献しているかは、その判断材料になる次のメトリックを調べることで正しく理解できます。
- アドインのインストールに関してユーザーに問題が発生したかどうか。
- アドインが使用された回数と、一意のユーザー数。
この情報は、アドインの全体的な正常性の理解に役立ちます。また、この情報を顧客のフィードバック、評価、およびレビューと組み合わせると、ビジネスの成長を制限している可能性のある問題についての洞察が得られます。
次に例を示します。
- 予想よりもブラウザーのヒット数が少なくなっている場合は、マーケティング キャンペーンの効果がない可能性があります。価値提案の修正について検討してください。
- ブラウザーのヒット数に基づいた予測よりもダウンロード数が少なくなっている場合は、より効果的なものになるように登録リストの修正が必要な可能性があります。
- コンバージョン率が低い場合は、顧客が最初にアドインを使用したときに価値を見つけられていない可能性があります。最初の実行ユーザー エクスペリエンスを向上する方法を検討してください。
ソリューションについて収集したデータを分析して、そのデータを次のカテゴリに分類すると、マーケティング活動とキャンペーンの成功を監視する際に役立ちます。
獲得
- ダウンロード数
- 新規ユーザー数
- アクティブなユーザー数
エンゲージメント
- 既存のユーザーの維持
- 減少率
- 各ユーザーのセッションの長さ
結果
- 購入数
- 試用版から有料版へのコンバージョン数
- 無料版からプレミアム版、エンタープライズ版へのアップグレード数
- 目標コンバージョン数 (サイン アップ、特定の画面の表示など)
- 顧客キャンセル率
- アプリの収益化
- 顧客推奨度 (NPS)
調査対象の測定値とデータの分析方法を知ることで、次の事項を判断できます。
- 外部マーケティングの一意のキャンペーン IDごとの成功と、マーケティングへの投資を変更する方法。
- クリック数とダウンロード率に基づいた価値提案の影響力 (対象ユーザーが共感したかどうかの判断基準にする)。
- ダウンロード率に基づいた Web サイトや登録リストの品質。
- 顧客が顧客ファネルのどこで減少しているか (減少を最小化する変更内容を特定する)。
- アプリのユーザーが最も頻繁にアクセスする機能 (価値提案とユース ケースのシナリオを変更する際に役立つ)。
- 顧客が使用していない機能と、その理由が機能に気付いていないためか、機能に価値がないと見なしているか。
- どの時点で、ユーザーが購入またはアップグレードを希望するか。
ユーザーのフィードバックとレビューの収集および管理
顧客のレビューは、ソリューションがどのように機能しているか、顧客がどのようにソリューションを使用しているか、どの機能が好まれているか、どのような問題の解決に役立っているかについてのフィードバックを得る有効な方法です。また、レビューによって、顧客にとって役立っていないものについての洞察を得ることもできます。さらに、ソリューション内でユーザーからのフィードバックを求めることもできます。
ユーザーからのフィードバックを求めるタイミング:
- 入力を求める機会を特定します。
- ソリューションでユーザーが完了したアクションに直接関連するフィードバックを求めます。
- フィードバックを過剰に求めないようにします (顧客は過剰な要求に応答しなくなります)。
レビューとフィードバックの使用目的:
- インストールの改善や、その他のユーザーが体験した問題の修正。
- 問題のトラブルシューティングと技術サポートの提供。
- ユーザーのフィードバックが重要であり、フィードバックがモニタリングされていることをユーザーに示す。
- 将来の消極的なレビューとコメントを減らす。
- 作成する機能とその理由を見つけるために顧客とのつながりを持つ。
顧客のレビューに応答する理由:
- 消極的なレビューに繋がりかねないインストールまたはその他の問題についてユーザーを支援します。
- 問題のトラブルシューティングを行い、ユーザーにテクニカル サポートを提供します。
- 問題が解決されたとき、評価を編集するようユーザーにお勧めし、グローバルな評価を徐々に向上させます。
- ユーザーのフィードバックが重要であり、フィードバックがモニタリングされていることをユーザーに示す。
- 迅速に問題を解決することで、将来の消極的なレビューやコメントを減らします。
- 顧客とのつながりを持って、作成する機能とその理由を見つける。
ソリューションの更新
ソリューションの公開後、新しい機能によるソリューションの改良、デバッグのための更新の提供、フィードバックとメトリックに基づいた顧客エクスペリエンスの向上を継続します。
更新に適用されるガイドラインは次のとおりです。
- 新機能を追加したときには、すぐにユーザーが更新プログラムを見つけられるようにします。更新プログラムのベータ テストやサイドロードを実施して、更新によって顧客のエクスペリエンスが損なわれないようにします。
- セキュリティやプライバシーの問題はリアルタイムで修正する必要があります。
- 有料のソリューションへの更新で機能が低下することがあってはなりません。
- 価格の変更が既存の顧客に動揺を与えないようにします。
アドインの更新は、月間 10 回または年間 30 回を超えないように注意してください。
Go-to-Market 戦略の修正
外部のマーケティング活動の有効性を追跡および分析することで、キャンペーンの追跡による有効性を判断します。
- 一意のキャンペーン ID を使用して、各マーケティング活動の成功を測定します。
- マーケティング キャンペーンを最適化して、最善の結果が得られるチャネルに焦点を合わせます。
- 必要な追跡パラメーターを設定して、ストア内追跡を有効にします。
- どのマーケティング活動に顧客が関心を寄せたかに基づいて、最初の実行エクスペリエンスをカスタマイズします。
- さらに、販売者ダッシュボードを使用して AppSource から CRM にリード管理の詳細を追加します。
更新と新しいリリースのテスト
マーケットプレイスでアプリを一般公開する前に、次に示す方法の 1 つ以上を使用して、テストに向けてソリューションを展開します。
- フィードバックを収集するために、選択したユーザーのグループでベータ テストまたはパイロット テストを実施します。
- インストール、ユーザー エクスペリエンス、パフォーマンス、および機能のテストのために、アドインをサイドロードします。
- AppSource で非公開としてソリューションを入手できるようにします。この方法では、直接リンクにアクセスできるユーザーのみがテストを実行します。
- 組織の内部にアドインを公開するために、一元展開を使用します。
ソリューションのテスト、調整、および修正を実行して、ソリューションを市場に一般公開する際にはスムーズなユーザー エクスペリエンスを保証します。